◆第292回行事・アーカイヴス(2018年4月)

★西近江・湖の辺の道 (北國海道) を行く

 ●湖上交通で栄えた二つの湊町・今津と海津の間には白砂青松の西近江「湖ノ辺ノ道」<北國海道*>が続きます。湖上に浮かぶ竹生島を望みつつ、青松と数百本の桜花爛漫を満喫します。

[*律令時代における「北陸道」の呼称で、大津より琵琶湖西岸を南北につないで敦賀に繋がる]

【コース地図(赤太破線):国土地理院発行125,000地形図「今津」・「海津」】

コース地図今津大崎説明入25000今津海津

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コースJR・近江今津駅~ヴォーリズ設計建築物[旧第百三十三銀行今津支店(現・今津ヴォーリズ資料館)~今津基督教会館~旧今津郵便局]~曹澤寺~今津浜*・浜分沼内湖~貫川内湖・堺川河口~中庄浜**~知内浜キャンプ場*~高木浜*~海津[石垣・舟溜まり]~桜並木~大崎~JR・マキノ駅    [約12km]

◆今津町  (高島市)

  • 浅野長政(長吉)が若狭からの荷を全て今津に着けるように、天正11年(1583)に秀吉の「朱印状」を発給し、今津の繁栄を誘引し、浜堤上に細長く発達した集落と元の北沼・中沼等の「内湖」*に挟まれた村として発展してきました。
  • 寛文2年(1662)の「琵琶湖西岸地震」により、安曇川河口・木津(こうづ)湖岸が水没して以来、今津に港津機能が移り、繁栄のはじまりとなりました。

[*内湖:河川・風波等による土砂の堆積により、湖岸沿いに形成される浜堤が水面を遮断して造出した浅く小規模な湖沼]

◇ヴォーリズ設計建築物William Merrel  Voliz,一柳米来留(ひとやなぎ・めれる)]

・1880年生~1964年没、1905年来日、県立商業学校英語教師、近江ミッション(近江兄弟社)を設立しました

関西学院大学、同志社大学アーモスト館、大丸・心斎橋店、四条・東華菜館、お茶の水・山の上ホテ他、約1500の建築設計を行いました。

第百三十三銀行(現・滋賀銀行)今津支店(現・Voliz資料館・高島市今津町今津:Voliz通)

・大正12年(1923)に建設された鉄筋コンクリート造です。

・昭和8年、八幡銀行と合併して滋賀銀行今津支店となり、同53年の支店の移転に伴い、翌年に町立図書館へ変更され、平成15年に改築して建設当初の構造に復元して資料館となりました。国の登録有形文化財に登録されています。

IMG_0440Voliz旧百三十三BK

【旧第百三十三銀行今津支店】

 日本基督教団 今津教会会堂  (高島市今津町今津:Voliz通)

・白壁,赤煉瓦,近江ミッション今津支部に昭和9年建立され、木造、切妻造、瓦葺き、間口約8m、奥行約15mで、国の登録有形文化財となっています。(「今」左右逆)

・現在は日本基督教団今津教会・今津幼稚園(昭和7年創立)の施設としても活用されています。

 IMG_0004今津基督教会館今津基督教会会堂

今津郵便局 (高島市今津町住吉:Voliz通)

・昭和9年に建設され、昭和53年(1978)まで局舎として使用されました。木造、地上2階建て、切妻造の妻入りです。

Vories旧今津郵便局Ⅲ②今津郵便局

洞雲山曹澤寺  (曹洞宗:今津町今津)

・豊臣秀吉が今津を前田家所領として以来、加賀藩・前田家と所縁があり、前田利家夫人・お松の方(芳春院)の位牌を祀っています。

・前身は室町時代創建の「新豊寺」で、寺域には江戸時代の枯山水庭園が残ります。なお、開基は応永年間(1394~1428年)に長応によるもので、文亀3年(1503)に再建されています。

IMG_0006洞雲山曹澤禅寺【曹澤寺山門】

 

◆今津浜・高木浜 ・・竹生島を眺める白砂青松(約5km・・

内湖/潟湖Lagoon 

浜分沼、貫川内湖があります。 

 ◇水  

・中庄浜付近に内湖/潟湖内の島跡とも推考され、標高86.4mですが、

境川河口水準点86.5mです。(貫川内湖近くの水準点)

IMG_0455②海津大崎湖岸_桜並木

【標高86.5m水準点:境川河口】

 

◇三角州                 

知内浜は、生来川・知内川の「結合<二重>三角州」で、知内川では簗(ヤナ)漁。知内浜・高木浜(マキノ浜)では魞(えり)漁が行われています。

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【知内浜から大崎桜並木を望む】

◆海津(高島市マキノ町)              

大津から東海道と分かれた「西近江路北國海道」が通り、海津から「七里半越え」を経ると敦賀へ通じていて、衣川・今宿・木戸・北小松・河原市・今津に次ぐ、7つの宿場の中の最北端である。かつて敦賀で陸揚げされた藩米等物資は「七里半越え」で海津を経由して大津へ船で運ばれました。

海津_集落配置図_石川②

【海津・集落配置図:石川原図】

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◇西浜

石積み・石垣は風波など公害防止用に元禄年間(1688~1704年)に築造されました。築造を陳情した当時の代官・西与一左衛門の石碑が蓮光寺境内にあります。

◇東浜

舟溜まり址があります(東小学校前)。

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【防風波石垣:海津町西浜】

◆海津~大崎

◇桜並木

・ソメイヨシノが約800本植わっています。昭和6年、宗戸正七が植樹を開始し、現在,観光協会が管理しています。

IMG_0471②海津大崎湖岸_桜並木

【海津~大崎湖岸・桜並木(遠景・近景)】

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IMG_0479②海津大崎湖岸_桜並木

◇琵琶湖八景の一

暁霧・海津大崎の岩礁

 

【参考文献】

1.藤井譲治編:「街道の日本史(31)近江・若狭と湖の道」,吉川弘文館,2003.

2.池田 宏編;「近江路散歩」,山川出版社,2001.

3.淡海文化を育てる会編:「近江歴史回廊・湖西湖辺の道」,サンライズ出版,2000.

4.山と渓谷社大阪支局編;「関西周辺・街道古道を歩く」、山と渓谷社、1999.

5.石川愼治他:「滋賀県高島市海津の集落構造」、日本建築学会近畿支部研究報告集、2008

【2018年4月7日催行、案内・編集:宮﨑信隆】

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