第272回行事・アーカイヴス(2016年8月)

「勉強会」

講師:国土地理院近畿地方測量部・防災情報管理官・上村和彦氏

(会場:OSAKAフォレストスクエア・コミュニテイホール)

演題:「宇宙技術を用いた地殻変動観測」

<講演要旨>

○講師の任務には、災害発生時には即時対応のため、発生現地に緊急派遣されるが含まれているとのことです。

○観測業務の中に、VLBI(Very Long Baseline Interferometry:超長基線電波干渉計)による、離れたアンテナで観測したデータを、原子時計などで計測したタイミング情報とセットにして磁気テープなどに保存し、1カ所に集約して相関させることで像を得ることが行われ、二点間距離の計測などを行っています。国土地理院のVLBI観測局はつくば市に、観測アンテナが茨城県石岡市に設置されています。東北大地震の直後には、つくばは「65.8㎝」も東方へ「移動」しました。

○次いで、GNSS(Global Navigation Satellite System :全地球測位衛星システム)は、GPSGLONASSGalileo、準天頂衛星(QZSS等の衛星測位システムの総称で、人工衛星を使用して地上の現在位置を計測する「衛星測位システム」のうち、全地球を測位対象とすることができるシステムで、これを用いて測位しています。

○更に、GEONET(GNSS  Earth  Observation   Network  System:GNSS連続観側システム)を用いて、全国約1300地点で測位・測地が行われています。東北3.11大地震の結果、男鹿では東へ5.30m移動し、120㎝沈下したことが判明しました。熊本地震では断層を挟んで、北側は東北方へ、南側は南西方向と逆に移動しました。近畿では電子基準点が西北西へ移動しています。

○続いて、干渉SAR(地殻変動監視手段)は、宇宙から地球表面の変動を監視する画期的な技術で、本法により、地震や火山噴火に伴う地球表面の変動を目で見える形でとらえることができ、国土地理院では、この技術への取り組みを、平成6年から始めました。断層を挟んで近くの変動がかなり異なること、国内の地下水のくみ上げなどに伴う、広範囲にわたる地盤沈下の検出などが判明しました。

地殻・土地変動として、東北大地震の結果、東北地方では、当方への大移動、その後に西方への小移動(揺り戻し?)、一旦、上昇の後、沈下などの減少が認められています。熊本では約1000地点で測量されました。

○最後に、UAV(Unmanned   Aerial  Vehicle:無人航空機)の適用により、熊本地震、鬼怒川洪水、北海道の台風災害などの実状が判りました。

サブコンテンツ

このページの先頭へ