■第268回行事・アーカイヴス(2016年4月)

「日本の里」百選   能勢  黒川・櫻の森

●「日本の里」百選に選ばれた「黒川の里山」を訪ねます。エドヒガン桜の見頃で、茶道などに使われる「菊炭」の原料となる台場クヌギや炭焼窯を見学します。

【コース地図(赤破線):国土地理院発行1:25000地形図「広根」・「妙見山」コース地図妙見口黒川野間25000妙見山②

 

(図上の左クリックにより拡大)

コース:能勢電・妙見口駅*~花折街道~(徳林寺)~黒川公民館(旧小学校)~黒川櫻の森*~四等三角点(366.2m)~野間大ケヤキ・けやき資料館*~本滝口バス停~[阪急バス]~妙見口駅 (約6㎞)

◇花折街道

明治時代に、川西・一の鳥居から能勢妙見への参拝道として開かれました。

IMG_0433【能勢・花折街道】 

◇黒川・桜の森  (川西市黒川字寺垣内)

[里山講座]

「里山」は、人が住む人里と獣が住む奥山の中間にあって、薪炭の生産、落ち葉による堆肥作り、木の実・山菜取りなど人の生活に密接に繋がっていました。 ・薪炭の生産のためには木々を樹齢10年程度で伐採するため、木々の高さは精々15mぐらいです。蔓切り、下草刈り、落ち葉集め等の手入れが行き届いていると明るく風通しの良い森になります。

・毎年、ところを代えて伐採(輪伐)、特に皆伐すると林齢により植生が異なるので生物多様性は豊かなものになります。

・薪炭の需要の減少により、「里山」の経済的価値が低くなり、山の手入れをしなくなったため、「昔里山、今放置林」となって、木には蔓が絡み、ネザサやヒサカキが生い茂り、人の「侵入」を拒む如く、暗く荒れた森になってしまい、二酸化炭素の吸収力も低下します。現在、「里山放置林」は国土面積の約20%にも及び、温暖化対策の面からも「里山」整備が大きな問題になっています。元の「里山」への再生はかなり困難なので、「環境文化林」*などとしての取り組みが多くなっているようです。

[*「環境文化林」:茶道に用いる『菊炭』生産、里山整備等が評価されて指定されています。『菊炭』の原料となるクヌギはドングリ植栽からでは約20年後に漸く伐採できるように成長します。]

【黒川・里山手入れ3つの軸】

「里山の整備」:「里山」は人と他の生き物がともに生きているところで、人は自然を壊さないように自然を利用して生き、済・薪・肥料・山菜などを獲ます。他の生き物は「種」の保存ができます。荒れた暗い森は、人が中に入れない、昆虫・小鳥・動物の餌になる植物も育たず、温暖化の原因でもある二酸化炭素吸収力も弱いのです。

IMG_0435_小型重機を導入して里山手入れ【里山の手入れ:小型重機を導入】

・黒川の「里山」はクヌギで特徴付けられ、その炭は「菊炭」として珍重されています。過疎・高齢化で「菊炭」原木のクヌギの手入れが十分でなかったので、荒れたクヌギ林は伐採して炭焼を行い、手入れを続けて健全なクヌギ林を再生させていく必要があります。

・「黒川・桜の森」には、自生桜でソメイヨシノの母種「エドヒガン」*の群落があります。兵庫県レッド・データブックでは「B」ランクで、その保護・育成に努めています。若木がなく、実から種を取り、発芽させて苗を作り、60本ほど植樹されました。その中の3本が4年目に開花しています。開花桜木の根元の直径は6㎝以上に成長しています。

*「エドヒガン桜」群生地のシンボル・ツリー「微笑み桜」は樹高24m・胸高周囲179cm・推定樹齢150年と推定されています。

[*エドヒガン・サクラ:(江戸彼岸)、学名:Cerasus spachiana Lavalee ex H.Otto var. spachiana forma ascendens (Makino) H.Ohba, 1992)(Synonym : Prunus pendula Maxim. form. ascendens Ohwi)は、バラ科サクラ属の植物の一種で、桜の野生種の一種。春の彼岸ごろに花を咲かせることからこの名前がつきました]

IMG_0443_微笑み桜【微笑み桜:エドヒガン・サクラ】

160409黒川桜の森パンフ②【黒川・桜の森・略図  】

(図上の左クリックにより拡大)

◇四等三角点(標高366.2m

設置間隔は約2kmで、全国に約69,000点が設置され、柱石の一辺は12cmです。破壊や破損に備えて、柱石の直下には盤石も埋設されており、地籍調査又はこれに相当する調査の測量の基準点として、国土交通省土地・水資源局国土調査課の委任を受け、国土地理院が設置しています。

[*基準点の等級:基準点には、電子基準点、一等三角点、二等三角点、三等三角点、四等三角点、五等三角点などがあり、2010年3月に国土地理院が公開した点数、および2011年月現在、国土地理院の基準点成果等閲覧サービスに登録されている点数は、下記のとおりです]                                

公開方法 一等三角点 二等三角点 三等三角点 四等三角点 五等三角点 電子基準点 GPS固定点
一覧表 2010年3月31日公開 974 5,060 32,325 70,095 1,240
データベース 2011年2月9日閲覧 960 4,959 31,673 69,310 3 1,240 35

IMG_0446【四等三角点(標高366.2m)】   

◇野間のオオケヤキ     (能勢町大字野間稲地)

・国指定天然記念物で、樹齢は1000年といわれ、幹周14m、樹高30m、ケヤキとしては全国で4番目の巨樹だそうです。

・環境省データでは、幹周11.95m、/樹高25mとなっており、ケヤキとしては全国でも屈指の巨樹で、大阪府巨樹の第2位です。

   IMG_0449【野間の大ケヤキ】

                    

【参考資料】

1.菊炭友の会編:「黒川櫻の森」、2014.

2.坂本 元:「黒川・桜の森・里山講座」、2016.

【2016年4月9日実施・案内:坂本 元・編集:宮﨑信隆】

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