■第256回行事・アーカイヴス (2015年4月)

◆箕面・古参道・勝尾寺・最勝ヶ峰・東海自然歩道・大滝 

 ●「勝尾寺」旧境内牓示の石蔵や町石が残る「古参道」を登り、枝垂れ桜の勝尾寺へ向かいます。午後は東海自然歩道を歩いて「政ノ茶屋」園地へ。勝尾寺裏の「最勝ヶ峰」山頂には勝尾寺開基と伝わる開成皇子墓があります。その後は箕面大滝を経て、滝道を箕面駅へ戻ります。

 【コース地図(太破線):国土地理院発行1:25000地形図「広根」使用

(図上の左クリックにより拡大)

コース地図勝尾寺広根25000広根②

コース阪急・箕面駅~(バス)~粟生外院~皿池公園~古参道~対面石~八天石蔵~勝尾寺~(東海自然歩道)~開成皇子墓・最勝ヶ峰(標高540m)~政ノ茶屋園地~大威徳明王石蔵~雄滝~杉の茶屋~箕面大滝~阪急・箕面駅(約11㎞)

 ◇古参道

「勝尾寺」旧境内牓示八天石蔵(ぼうじはってんいしぐら)・町石(ちょうせき)・対面石

■「勝尾寺」は、奈良時代に開成皇子によって創建された高野山真言宗の寺で、現在の堂宇は寛永19年(1642)の再建です。

■「八天石蔵」は、鎌倉時代に「勝尾寺」の寺領を示すため、旧境内の四方8ヵ所に設けられた「牓示」(境界を示す標識)のことで、銅造の仏像を信楽(しがらき)焼の容器に入れて土の中に埋め、その上に石積みの壇を設けたものです。

■昭和37~38年の発掘調査により、陶製容器に納められた青銅製四天王(持国天 ・増長天 ・広目天 ・多聞天)・四明王(降三世(ごうざんぜ)明王 ・軍荼利(ぐんだり)明王 ・大威徳(だいいとく)明王 ・金剛夜叉明王)像が発見され、重要文化財に指定されています。寛喜2年(1230)の山林の入会権紛議の際に建立されたものと推定されており、貴重な寺の遺構と領地の保護方策としての社会事象の資料とされています。(不動明王が含まれていないので、勝尾寺境内の三宝荒神堂前の八天要石の下に埋められているとの説があります)

■「町石」(塔婆)は、元々西國街道から分かれる、大鳥居から勝尾寺までの36町の表参道に、1町(約109m)ごとに建てられていた標石で、現存するのは下乗石から七町石までの8基だけで、宝治元年(1247)に建石の記録があり、花崗岩製の一石五輪で、地輪が長く、梵字、町数、願主が刻まれており、「町石」としては最古の部類に入ります。(本会設立20周年で訪れた「高野山」にも「町石」があります)

■「八天石蔵」は旧参道に残る「町石」8基と合わせて、昭和41年に国史跡に指定されました。

■「対面石」:平安時代の元慶4年(880)に清和天皇が参詣した折、7世座主・行巡が迎えてここで対面したと伝わる石です。

◇勝尾寺  (高野山真言宗、山号・応頂山:箕面市粟生外院)

■西国三十三か所の第二十三番札所で、開山は開成(かいじょう)、本尊は十一面千手観世音菩薩です。

■伝承として、奈良時代の神亀4年(727)、藤原致房の子の善仲、善算の兄弟はこの地に草庵を築き、仏道修行に励んでいた約40年後の天平神護元年(765)、光仁天皇の皇子(桓武天皇の異母兄)・開成皇子が2人に師事して仏門に入り、宝亀8年(777)、開成は念願であった大般若経600巻の書写を終え、(勝尾寺の前身)「弥勒寺」を創建し、宝亀11年、妙観が本尊の十一面千手観世音菩薩立像を制作したと伝わります。

■平安時代以降、山岳信仰の拠点として栄え、天皇など貴人の参詣も多く、元慶4年(880)、当時の住職(7世座主)・行巡が清和天皇の病気平癒の祈祷を行い、「勝王寺」の寺号を賜りましたが、「王に勝つ」という意味の寺号は畏れ多いとして、「勝尾寺」に差し控えました。『三代実録』は、元慶4年、清和天皇死去についての記事で、同天皇が「勝尾山」に参詣したことを述べたのが文献上の初見のようです。

■元歴元年(1184)、源平の「一の谷合戦」の煽りで焼失しましたが、文治4年(1188)、源頼朝の命により、熊谷直実・梶原景時によって再建され、承元4年(1210)には、讃岐国流罪から戻った晩年の法然が滞在しました。

勝王寺_扁額【勝尾寺:扁額「勝王寺」】 

開成(かいじょう)皇子墓

■神亀元年(724)~天応元年(781)10月4日に没した光仁天皇の皇子で桓武天皇の異母兄であり、天平神護元年(765)宮中を出て勝尾山に入って禅居し、善仲・善算の二人の師に出会って出家し受戒しました。

■宝筺印塔は元亨4年(1324)の銘があり、印塔を積石塚の上に建立されています。

■北摂地域の山間部には開成皇子が開基・中興とされる寺院として、勝尾寺のほかに、茨木の大門寺・忍頂寺、高槻の神峯山寺・本山寺・安岡寺・霊山寺があります。

開成皇子墓Ⅱ開成皇子墓 

◇箕面滝             

■「明治の森箕面国定公園」内にあります。:『石面を走り落つる事凡て十六』(=10尺=48.5m:「摂津名所図会」巻六・箕面瀧)

箕面滝Ⅱ②【箕面瀧】

[226回行事「箕面国定公園・明治の森」で訪問しています(2012年11月10日実施)]

 【参考文献】

1.大阪府の歴史散歩編集委員会編:「大阪府の歴史散歩」(上)、山川出版社、1999.

2015年4月11日実施・案内:本條陽子・編集:宮﨑信隆】

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