■第201回行事・アーカイヴス(2010年8月)

★大台ケ原

●「大台ケ原山」は山域一帯を指すことばで山頂名ではありませんが、日本百名山の一山に数えられ、大台ケ原一帯の最高峰である「日出ヶ岳」(1695m)は「1等三角点」を有し、夏も涼しく、関西における天上の楽園と言える。条件が良ければ、大峰山、尾鷲湾、熊野灘、更に、富士山まで眺望できます。国内有数の多雨地帯でもあり、年間5000㎜にも達する雨量は美しい樹林、シカ、鳥などの動植物を育み、運が良ければ、シカに出会えます。

・大台ケ原山は、恐竜が生きていた時代に海底で堆積した岩石が日本列島に付加して隆起することにより現在の姿となっています。その海洋の真ん中で堆積したチャートが日出ヶ岳付近で見られ、正木ヶ原・大蛇嵓では、陸地近くで堆積した砂岩・泥岩が見られます。植生では、ブナ、トウヒ、シャクナゲなどが分布しています。
・当日は天気が良くて、日出ヶ岳や大蛇嵓から雄大な眺望を楽しむことが出来ました・・・

コース:近鉄・大和上市駅~(バス)~大台ケ原駐車場~日出ヶ岳[1694.9m]~正木ヶ原~牛石ヶ原~大蛇嵓[1578.6m]~牛石ヶ原~尾鷲辻~大台ケ原駐車場~(バス)~大和上市駅 (徒歩区間・約10㎞)

【コース図(青線):国土地理院発行1:25000地形図「大台ケ原山」使用(図上の左クリックにより拡大)
201回25000大台ケ原②東南部分

◆バスからの風景(大和上市駅~大台ケ原駐車場)
◇トンネルの便利さ[宮滝~大滝]:この付近は吉野川の蛇行のため、川に沿った曲りくねった道か、峠越えの道でしたが、トンネルにより短絡されました。
◇地すべり:大滝付近には地滑りが地形がみられますが、この地域にダムを造り、水を張ったので、白屋地区でも新たに地滑りが発生しました。
◇V字谷:大滝ダムから吉野川上流部には、吉野川が削ってできたV字谷が広がっています。
◇不動窟:柏木地区近くにある鍾乳洞ですが、この石灰岩は海山がプレートとともに運ばれて来て、付近で衝突し砕けて引っ付いたものです。まだ太平洋には多くの「海山」」があります。
◇大台ケ原ドライヴウェイ:伯母谷峠へ上り、その後は山の陵線の緩やかな上り道を進みますが、この上部の緩やかな平坦面は「隆起準平原」です。

◆大台ヶ原山と大台ケ原開山
○奈良県吉野郡上北山村、同郡川上村及び三重県多気郡大台町旧宮川村に跨って座す山で、最高峰は標高1694.9mの「日出ヶ岳」で、三重県の最高峰でもあります。頂上が平坦な複数の山からなる東西5kmほどの台地状の山塊を「大台ヶ原」と言っています。台高山脈南端に位置する1500m前後の台地であり、頂上が平坦で周囲を傾斜が急な崖で囲まれている地形を「隆起準平原」といい、日本では珍しい例ですが、吉野熊野国立公園に含まれています。波状の台地が連続し、急崖を伴い、日本有数の多雨・濃霧地域のため、過去「魔境の山」・「迷いの山」でもありました。
○文献上の登場としては、謡春庵周司・「吉野山独案内」、貝原益軒・「大和巡覧記」、仁井田長群・「登大台山記」、畔田(くろだ)翆山・「吉野郡名山図誌」などがあります。
○江戸時代~明治時代に採薬使・文人・修行僧が入山しましたが、松浦武四郎は大台ケ原の「紹介者」と言われ、幕末~明治の探検家です。明治18年から3年連続で3回登山し、「乙酉(いつゆう)掌記」、「丁亥(ていがい)前記」で詳しく紹介しました。大台教会北西方に分骨碑があります。古川崇は開山第一人者で、岐阜県郡上郡の人です。明治24年、3カ月を費やして大台を単独踏査しました。
○気象観測に関しては、明治31年に、古川崇が私設雨量観測所を設置し、明治36年から気象観測も実施しました。大正8年、農商務省山林局東京林業試験場奈良県八木測候所附属大台ケ原観測所が設置され、昭和38年、日出ヶ岳に無人ロボット観測所が設置されました。

◆日出ヶ岳
○標高1694.9mで「1等三角点」があり、駐車場(1570m)から約50分で着きます。

大台ケ原_関西TVインタヴューⅡ_地形図説明_宮﨑

【『想像以上の何かを発見する楽しさ』:関西テレビ・インタビュー画面より・日出ヶ岳付近】

◆近畿地方の一等三角点(△)
大台ケ原_近畿の一等三角点②

◆正木ヶ原
○標高1640m前後の高さにあり、イトササが一面を覆い、トウヒの倒木が散在している。

◆牛石ヶ原
○標高1590m前後のの高さにあり、イトザサの中に牛石がポツンと転がっています。

大台ケ原_関西TVインタヴューⅠ大蛇嵓

【『想像した地形図にはない世界を発見』:関西テレビ・インタビュー画面・大蛇嵓】
◆大蛇嵓
○標高1580m前後の高さにあり、砂岩の岩場です。途中にアケボノツツジ、ゴヨウツツジ、ツクシシャクナゲ群落を通ります。先端からは山また山、谷また谷の素晴らしき眺めです。

◆大台・大峰地域の地質
○プレートが沈み込むときに、海底に積もっていた堆積物が引っ付いてできた岩石が分布しています。古いプレートに積もっていたものは「秩父帯」、新しいプレートに積もっていたものは「四万十帯」と呼ばれています。
○「四万十帯」の岩石は、駐車場から山道に入り、足元の石を見ると、角の取れた岩石が多いですが、白色系のものは「砂岩」で砂が固まって生成したもので、砂粒が見えます。黒色系のものは「泥岩」で、泥の固まって生成したものです。
○「秩父帯」の岩石は、駐車場から水場を過ぎて急な上りを登りきった「日出ヶ岳」周辺のみで、硬くごつごつした岩石としてみられ、これらはプランクトン殻が固まって生成した「チャート」です。火打石に使えます。
大台ケ原_関西TVインタヴューⅢ2宮﨑
【『地形図には出ていないものを現地に行って見て欲しいし、読み取ってほしい』:関西テレビ・インタビュー画面(某副会長の弁)】
●当日、3名の関西テレビ番組「Anchor」クルーの終日密着取材を受けました。

【2010年8月28日実施・案内:竹内靖夫・編集:宮﨑信隆】

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